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I.序
人間のみが言語を持ち,このゆえに他の動物と一線を画す。したがって言語音処理の中枢機構を探究することは,ヒトをヒトたらしめる中枢機構をたずねることである。またこのためにヒトを対象にその語音認知をたずねる必要が生ずる。
ヒトが言語音を発するとき,同じ「ヒト」と言う場合でも,話者や状況によってその音波の物理的性質は多種多様である。しかしヒトはこれを(使用言語の習慣によって)有限個のカテゴリーのいずれかに同定する。いかに多様であっても,一つのカテゴリーには何か共通なものを感ずるのでこれを「音素」(phoneme)(学派によっては「音韻」)と呼ぶ。音素は純粋な音響学的単位ではなく習慣的なものである。英語使用者の[θ]はそのほかの者には音素/s/や/t/である(このように一般に音素を表わすのに,音声言号[ ]と区別して,斜線で囲むが,本論文では厳密に区別できないものは何のマークもしないアルファベットで示す)。
It is speech that separate man from the rest of animals, we often says. And this is the very reason why we must do experiments asking human observers what they perceive, if we want to understand neural processing of speech sound. Some of our findings in such experiments will be described here, in which modus operandi of cerebral information processing and hemispheric dominance are reflected.
We became interested in the temporal structure of speech sounds and its significances on speech perception.
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