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I.はじめに
人の視覚性誘発電位(以下VEP)の研究は,Laue1)ら(1954)の最初の報告以来,非常に多数にのぼるが,そのほとんどが刺激光として,blank lightを用いたものである。しかしながら,自然界には均一な光はありえず,光には必ず影を伴なっているし,実際われわれが見るのは,物の形態であり,運動であり,色彩である。人が眼前のものをどのように知覚し,かつ,認知するかということは非常に興味深い課題であり,古くから心理学的知見として,多くの業績があるが,大脳生理学的研究は意外に乏しい。ところで,1960年,Eason and white2)が均一な視覚刺激と分節され,パターン化されたものとでは,そのVEPに差異がみられることを発見し,またVan-Hof2)(1960)が窓にとるにたりないwire figureを投影させて,VEPに対する影響を検討し,窓に何も映っていない場合とwire figureが見られる場合とではVEPの波形に変化があることを報告して以来,パターン,ないし図形刺激に対するVEPの研究に多大の関心が寄せられている。つまり,相異なる内容の感覚刺激による誘発反応様式の検討は,大脳における知覚情報処理過程について,要素的なものからより複雑なものに至る生理学的解明への近道と考えられるからである。
It is recognized that the differences between the VEPs to a blank light stimulus and those to patterned light stimulus is not only related to the retinal function but also to the central mechanism in the visual system.
The present study demonstrated the effect on the occipital visual evoked responses to variously patterned light stimuli using ink blots modeled after Rorschach test tablets, pictures after the Thematic Appreciation Test (TAT) tablets, a checkerboard pattern and etc.
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