特集 高感度ホルモン測定法と臨床応用
ソマトメジン‐C
武田 成正
1
,
井上 和子
1
Shigemasa Takeda
1
,
Kazuko Inoue
1
1東邦大学医学部第一内科学教室
pp.967-970
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208088
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ソマトメジン(Somatomedin:Som)に関する研究は比較的古く,1957年SalmonとDaughaday1)らにより成長ホルモン(Somatotropin,Growth hormone:GH)の作用を仲介(mediate)する物質(彼らは,sulfation factorと命名)として,その存在が初めて示された。その後,sulfation factorが,軟骨細胞のDNA合成を促進させるなど,GHの生物学的活性を再現できることが理解されるようになり,GHの活性をmediateする物質としてsomatomedinと命名された2)。
Van WykやFroeshらは,それぞれ独自のbioassay系を用いてGHの生物学的活性物質の精製,純化を行いSomatomedin,Nonsuppresible insulin like activity(NSILA)またはInsulin-like growth factor (IGF)と名付けた。これらの研究の結果,SomにはA,C,IGFにはⅠとⅡが存在し,GHの生物学的活性を仲介する物質が,Som-CとIGF—Ⅰであることが推測された。また,Som-CとIGF—Ⅰが同一物質であることが想像されていたが,1983年になって,Van Wykら3)のグループによってSom-CとIGF—Ⅰが同一物質であることが証明されたのである。
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