Japanese
English
原著
高血圧性脳出血の外科治療前後における血液諸成分の変動に関する臨床的研究
Clinical Study on Hematologic Changes before and after Surgery in Hypertensive Intracerebral Hemorrhage
茂木 秀允
1
Hidechika Motegi
1
1岩手医科大学第2外科学教室
12nd Dept. of Surgery, School of Med., Iwate Med. Univ.
pp.815-840
発行日 1971年4月30日
Published Date 1971/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904680
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Ⅰ.緒言
教室では数年来,高血圧性脳出血の急性期例に対して外科治療1)〜4)を行なつているが,これらの症例は高血圧,動脈硬化などに起因する全身諸臓器の障害を合併している老年者であり,また脳出血発作に基づく中枢性要因も加わつてくるなど最悪の状態におかれたものばかりである。したがつて本出血の外科治療にあたつては極めて慎重な管理が要求され,なお解明されなければならない問題も多い。
従来,脳外科領域における水分・電解質代謝の面での研究は多いが5)〜11),血液像の変動についての詳しい報告は極めて少ない。最近,脳手術後にしばしば高度の貧血発現をみたとの報告があり,その成因についても追求されているが11)12),本出血手術例でもしばしば貧血発現例を経験している。周知のように本出血は内包,基底核,視床下部などに好発するため,当然自律中枢に異常をきたし,直接あるいは間接に造血機能にも影響を及ぼすことが予想される。しかし本出血の外科治療に伴う血液諸成分の変動についての報告がなく,なお不明な点も少なくない。
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