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特集 医学における霊長類の研究
サルと運動機能の神経生理学的研究
Monkeys and neurophysiological studies of motor functions
久保田 競
1
Kisou Kubota
1
1京都大学霊長類研究所神経生理研究部門
1Department of Neurophysiology, Primate Research Institute, Kyoto University
pp.561-566
発行日 1970年11月30日
Published Date 1970/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904653
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Ⅰ.霊長類と神経生理学的研究
中枢神経系の働きの実験研究の歴史をふり返つてみると,初期の頃からサルが実験に供されていることがわかる。Sechenovは中枢をいろんなレベルで破壊したカエルで弱酸の液の中に下肢をつけておこる屈曲反射を指標にして,中枢神経系内に積極的に反射活動を抑制する構造が視葉部にあるに違いないと推論したのは1863年(文献)である。またFritschとHitzigがエーテルなどの麻酔下でイヌの大脳表面を電気刺激して,運動をおこす場所が,大脳皮質の前方にあること,しかも場所によつて動く筋が違つておこることを記載したのは1870年であつた。
このような発見が契機となつて中枢神経系の実験的研究が始まつたといえる。つまり脳の働きの実験的研究は約100年の歴史をもつていることになる。
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