Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題:睡眠をめぐつて
睡眠と遠心機能
Sleep and Efferent Motor Activity
久保田 競
1
Kisou Kubota
1
1東京大学医学部脳研究施設
1Dept. of Neurophysiology, Univ. of Tokyo, School of Medicine
pp.128-131
発行日 1966年3月25日
Published Date 1966/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904272
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われわれが眠つているかどうかを判定するのに骨格筋の活動が視察の上で重要な指標となつているのに,睡眠の研究で,筋活動の生理学的な記録が利用されたことは少なかつた。筋の電気活動がポリグラフの一つとして記録されるようになつて胴睡眠の生理学的研究は新しい段階を迎えるようになつた,Jouvetは頭部を支持する抗重力筋の持続的筋活動を記録して,睡眠を現象的に異なつた2つの相に分類し,それぞれ異なつたメカニズムをもつものと想像した(1961)。このことは若干の破壊実験によつて裏付けられている。
過去5年間の睡眠の生理学的研究は,大まかにいつて新しく発見された睡眠(賦活睡眠,逆説睡眠,パラ睡眠など)の現象面の記載に重点がおかれていたといえよう。各種の筋の活動(休止する筋と活動する筋),血圧,皮膚電気活動,脳の電気活動など。このような現象面の記載に引きつづいて,系統発生と個体発生の側面も調べられつつある。またメカニズムを探る試みが行なわれている。
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