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高岡は終戦直後,糖尿病患者150名中126名すなわち84%の高率に耳下腺が対称的非炎症性に腫れていることを発見した。しかもこの耳下腺腫脹の著しい糖尿病は多く軽症であり,耳下腺が急に触れるようになると,その血糖曲線も好転することを認めた。それで高岡はドイツのE.Flaum同様,耳下腺は糖尿病のように膵機能低下の時にはそれを代償すると考えた(耳下腺の膵臓代償説)。
一方第2次大戦後,日独両国のシベリア抑留の捕虜の間で栄養失調症が出現したがその時耳下腺が腫れていることが注目された。アフリカのKwashiorkor(malignantmalnutrition)でも治る時の最初の兆候は耳下腺腫脹であるとされている。村田,滝沢らは日本人の栄養失調症患者の剖検で耳下腺(ことに条紋部)と膵臓ランゲルハンス氏島はともに組織学的に肥大していると報告した。演者らは緒方(知)名誉教授御兄弟の創製された牛耳下腺エキスParotinは蛋白同化作用を促進し血清カルシュウムを減少重症筋無力症の治療に有効であることを確認した。
Based on our clinical observations suggestive of the compensatory role of the parotid gland for pancreatic hypofunction in diabetes mellitus and on the considerable effectiveness of the parotid gland extract, named Parotin, on the myasthenic patients, the authors have been engaging for the last 18 years to isolate a more effective anti-mya-sthenic factor from mammalian pancreas than parotin.
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