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特集 中毒性脳障害—第4回脳のシンポジウムより
B・有機水銀中毒と脳障害
水銀化合物の生体内運命について
The Metabolic Fate of Mercury Compounds
浮田 忠之進
1
,
武田 寧
1
Tyunosin Ukita
1
,
Yasushi Takeda
1
1東京大学薬学部,衛生化学・裁判化学
1Dept. of Hygienic Chemistry and Forensic Chemistry, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Univ. of Tokyo
pp.123-129
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904588
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I.はじめに
水銀化合物には医薬品,農薬などとして用いられているものをはじめとして,多種類の化合物があるが,それらのうちで脳障害の原因となりうる水銀化合物は,メチル水銀化合物,エチル水銀化合物などの低級アルキル水銀化合物に限られることが知られている1)。
われわれはこのような低級アルキル水銀化合物の脳障害発現機構解明の一助として,水銀化合物の生体内運命について検討を加え,ラットおよびマウスにおける水銀化合物の化学構造と生体内分布の相関2,3),およびラツトにおける塩化エチル水銀の生体内変化4,5)についての知見を得ることができたので,それらについて述べることとする。
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