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特集 中毒性脳障害—第4回脳のシンポジウムより
B・有機水銀中毒と脳障害
〔指定討論〕神経病理学の立場からみた有機水銀中毒の長期追跡の必要性
The Nescessity of Long Term Study of the Organic Mercury Intoxications from Neuropathological Viewpoint
白木 博次
1
Hirotsugu Shiraki
1
1東京大学医学部脳研究所病理部門
1Dept. of Neuropathology, Institute of Brain Research, Faculty of Med., Univ of Tokyo
pp.113-121
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904587
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I.はじめに
水俣や阿賀野の有機水銀中毒例,またRussell-Hunterその他の例を急性期から慢性期にかけ,長期にわたつて追跡してゆくと,精神神経障害の上で,ある種のシフトが生じ,それに対応して脳病変の分布と局在の上でも,その変遷と拡大がみられ,さらには,次第に脳以外の臓器にも病変が波及してゆく過程があるのではなかろうか,つまり,有機水銀中毒の本質は,今後,10年,20年の単位で追跡してゆかないかぎり,その全貌はつかめないのではないかなどの諸点について,追加討論してみたい。
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