Japanese
English
特集 精神薄弱
双生児の研究
Study of Twins
詫摩 武俊
1
Taketoshi Takuma
1
1学習院大学文学部心理学研究室
1Department of Psychology, School of Literature, Gakushuin University
pp.97-102
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904485
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I.双生児研究の方法
知能や精神薄弱の問題をも含めて,人のある形質が遺伝と環境によつてどのように形成され,発達するかという問題の解明には双生児を比較する方法がもつとも有力である。
双生児には周知のように一卵性のものと二卵性のものとがある。一卵性双生児は1個の受精卵に起源をもち,それが発生の途上において分離し,成長して二つの個体になつたものと考えられる。したがつて二人は遺伝学的には同じ個体で,かならず同性であるし外見的にもよく似ている。二卵性双生児は同時に,または相ついで排卵された二つの卵が別々の精子によつて受精し,発育したものと考えられる。二卵性双生児の遺伝質の差異は同じ両親から生まれた普通の兄弟姉妹の関係と同じで,外見的には似ている場合と似ていない場合とがある。二人が同性の場合と異性の場合とがある。
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