Japanese
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特集 知能とその障害
心理学の立場から
知能の定義と研究方法
Definition and Research Methodology of Intelligence
詫摩 武俊
1
Taketoshi Takuma
1
1学習院大学文学部
1Gakushuin University, School of Literature
pp.726-729
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201696
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知能は心理学の概念であって,その定義に関する議論は数多いが,詫摩助教授は,本シンポジアムにおける唯ひとりの心理学者として,この知能の定義および知能を研究するときの心理学の方法論について述べられた。また,長年の間ふたごについて知能の研究をすすめておられるので,その結果の一部,とくに正常の範囲の知能の決定にあずかる遺伝と環境の働きについてふれ,通常はあまり問題にされない出生前の発育を左右する環境要因と,出産時における環境要因が,成長後の知能の発達に影響をあたえることを示された。
心理学の立場からなされた知能の定義は非常に多様である。二,三の例をあげると,知能とは抽象的思考能力であるとみる立場,学習能力とみる、立場などのほかに,与えられた事態の直観的洞察に基づく対象への直接的働きかけという機能を重視する立場もある。
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