特集 第7回神経病理学会
一般演題〔1〕〜〔102〕抄録・討論
〔68〕〜〔71〕老年過程(I)
〔68〕解剖実習体頸髄の観察—Barnes束,いわゆる"Periphere Aufhellung"および後索の変性,他
王丸 勇
1
,
水野 昇
2
,
中村 泰尚
2
,
岡本 道雄
2
1久留米大神経
2京大解剖
pp.803-805
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904381
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解剖実習体130例につき,10%ホルマリン3,000ccを大腿動脈より注入後12時間以内に頸髄上部(C1〜C3上部)を採取し,これらを組織学的に観察してつぎのような結果を得た。
(1)19例(14.6%)において,Helwegの三角束の領域を走るBarnes束(Ventrolateral pyramidal tract)を確認。うち5例は両側性,14例は一側性。その他Barnes束の存在をまつたく否定しえないものが13体側あつた。Bames束は構成線維数が少ない場合は同定が困難であるが,錐体路に変性のある場合はその発見は比較的容易で,錐体路変性例(23例)の22%にこれを認めた。以上より,頸髄上部で錐体路線維がHelweg三角束の領域に存在する場合は,ごく少数の線維をも問題にすると,かなり高率に存在するものと思われる。
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