Japanese
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特集 記憶
記憶の生理学的基礎
The Physiological Bases of Memory
二木 宏明
1
Hiroaki Niki
1
1東京大学教養学部心理学教室
1Department of Psychology, College of General Education, University of Tokyo
pp.606-614
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904355
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Ⅰ.緒言
記憶,それは神経系の働きのうちで最もすばらしいもののひとつであり,すべての学習行動の基盤をなすものである。したがつて,生物の存在にとつてきわめて重要な意義を持つていることはいうまでもない。
遠くギリシヤの昔から記憶機能の担い手として,"記憶痕跡"という概念が用いられてきた。そして,記憶とは経験を脳のどこかに"痕跡"という形で刻印し,必要に応じてそれを再現させる働きであるとする考えも,古くから多くの人々によつていろいろな形で繰返し唱えられてきたのである。
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