Japanese
English
特集 第8回神経化学懇話会
一般演題および討論
マウス自発運動量と脳内カテコールアミン
Effect of Brain Catecholamines on Mouse Spontaneous Motor Activity
亀山 勉
1
,
木皿 憲佐
1
Tsutomu Kameyama
1
,
Kensuke Kisara
1
1東北薬科大学薬品作用学教室
1Dept. of Chemicalpharmacology, Tohoku College of Pharmacy
pp.227-232
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904286
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
Blaschkoらによつてcatecholamine(CA)生合成の概要が明らかにされて以来,多くの研究者によつて脳における刺激伝達も末梢と同じ考えで究明できるのではないかという想定のもとに脳のCAと中枢神経機能との相関を解明しようとしている。
このような現状において行動理学的検索からCAの中枢作用におよぼす影響をみた報告も数多くあるが,しかし,従来の大多数の報告は,脳内CAと動物の行動変化を論ずるさいに,単に"中枢興奮・抑制"というように直接観察,あるいは機械的方法により客観的に観察しても動物の外面的な運動性しか観察しておらず,しかるべき自発運動量と脳内CAの相関性を完全に論じているとはいえない。先に著者ら4)は,中枢興奮薬のマウス自発運動量におよぼす影響を調べた結果,振動篭法による運動興奮はあまり増大しないが,回転篭法による自発運動量を著明に増大するものがある。これらの所見は自発運動の質的相異を常に念頭において論じなければならないことを示唆している。そこで本報告では脳のCAと中枢神経機能との相関係を調べる手がかりとして,マウスの自発運動量におよぼすCAの作用について行動薬理学的検討を加えた。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.