Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題:睡眠をめぐつて
睡眠のポリグラフィ的研究—とくに睡眠深度の問題について
Polygraphic study of Sleep: with special reference to the depth of sleep
大熊 輝雄
1,2
,
中村 圭佐
1,2
,
林 秋男
1,2
,
藤森 正大
1,2
Teruo Okuma
1,2
,
keisuke Nakamura
1,2
,
Akio Hayashi
1,2
,
Masamoto Fujimori
1,2
1東京大学医学部精神医学教室
2神経研究所神経生理研究室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Laboratory of Neurophysiology, Neuropsychiatric Research Institute
pp.113-122
発行日 1966年3月25日
Published Date 1966/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904270
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睡眠の研究は,現在きわめて多岐にわたつているが,睡眠の深さの研究も,その主要な課題のひとつとして,古くから多くの研究者によつておこなわれている。
ヒトの睡眠の深さが一夜の睡眠の経過にしたがつてどのように変動するかという問題について,もつとも古典的な究研は,しばしば引用されるKohlschütter(1862)の研究である。すなわち,彼は,終夜睡眠の種々の時点で,被験者に音刺激を与え,被験者を覚醒させるに必要な音の強度を測定して,これを一夜の経過にわたつてグラフに画き,睡眠深度曲線をつくつた。彼によると,もつとも定型的な睡眠深度曲線は,入眠後急速に深くなり,睡眠の後半期には浅くなるという一相性の経過をとるものであつた。
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