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特集 脳のシンポジウム
主題:脳研究の方法論をめぐつて
—解剖学の立場から—線維結合
Fiber Connections
草間 敏夫
1
Toshio Kusama
1
1東京大学医学部脳研究所
1Department of Neuroanatomy, Institute of Brain Research, School of Medicine, University of Tokyo
pp.5-9
発行日 1966年3月25日
Published Date 1966/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904256
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方法というのは目的のためにあると思う。この場合の目的は,結局,なにかを知ることである。それで,なにを知りたいかが出発点になるわけで,次の段階でそのためにはどの方法が一番適しているかという問題がおこる。この見地から方法が選ばれて,実験なり観察なりがおこなわれてから,使用した方法の長所と短所と限界をできるだけ肝に銘じて結論をだしていく。方法論とは,簡単に考えると,このようなことだと思う。
ここでは,解剖学からみた方法論を論じることになるが,解剖学的方法も組織化学や電子顕微鏡をいれると非常に尨大なものになる。ところが,私自身が知つている方法はこの一部,つまり線維結合を中心としたものにかぎられている。これでは完全に責任を果せないことになる理であるが,まつたく経験のないことにふれてもいたしかたないと思うので,Nauta法を中心として若干の経験をのべて,ご批判を乞いたいと思う。
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