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特集 第5回神経化学懇話会
シンポジウム・2
脳細胞成分(Subcellular units)の生化学
8.兎脳における化学伝達物質(CholinergicおよびNon-Cholinergic)の細胞内分布
Subcellular distribution of transmitter substances (cholinergic and non-cholinergic) in the rabbit brain
井上 章
1
,
片岡 喜由
1
,
品川 純子
1
,
今泉 正臣
1
,
光村 民子
1
,
矢原 庄二
1
Akira Inoue
1
1京都大学医学部生理学教室第2講座
1Dept. of Physiology, Faculty of Medicine. The Unive. of Kyoto
pp.779-783
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904064
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緒論
中枢神経系における情報伝達の一部が,化学的にある種の物質によつて担われる事が提唱されて以来,その物質の同定に多くの関心が集められた,伝達物質として高い資格性を有するものはAcetylecholineであろう。末梢神経を機能的に分類したCholinergicおよびNon-Cholinergicの概念を中枢神経系に適用してみるまでもなくAcetylecholine(Ach)低濃度の部位ではAch以外の物質が化学的伝達になんらかの寄与をしていると想像することもさほど困難ではない。爾来Noradrenaline(NA)を始めとして多くの物質が取り上げられ古くはHistamineに始まりAdenosine Compound,Substance P(SP),5-Hydroxytryptamine(5-HT),γ-Aminobutylic Acid(GABA),Cerebellar Factorなどが挙げられている。一方電気生理学・形態学の発達に伴ない情報伝達を取り扱かうに際してSynapseの概念を抜きにしては思考を進めることができなくなり,化学的にもSynapseを問題にする必要に迫られてきたわけである。方法論的にも多くの場合が考えられるが特に超遠心沈澱技術の進歩はSynapse単離の方向に関心が向け始められたようである。
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