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特集 第4回神経化学懇話会
脳の機能と代謝
中枢神経系の機能と代謝について
Studies on Function and Metabolism of Brain
小沢 俊次
1
,
粟山 欣弥
1
Shunji Kozawa
1
,
Kinya Kuriyama
1
1京都府立医科大学薬理学教室
1Dept. of Pharmacology, Kyoto Prefectural Univ. of Medicine
pp.668-673
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904002
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神経細胞の活動とその支柱とも云うべき物質代謝の研究は相当古く依り行われ今日まで種々論議されて来たが,未だ明確な概念は,把握されていない現状である。吾々は諸種中枢薬の作用機構を論じる上に於て神経細胞の代謝,特にdynamicな観点から神経細胞の機能活動とそれを支持する代謝の性格と云うものを先ず明かにすべきであると考え,種々の検索を試みて来た。吾々はMcIlwain1)2)等に依つて提唱された電気刺激(ES)下の脳組織代調及びこれに対する諸種中枢薬の影響をin situ又はin vivoのそれと詳細に比較検討した結果,ES下の脳代謝に於けるChemical changeのPatternは主体通電刺激又は興奮時の脳内のそれと同一のものであり,又これに麻酔剤あるいは興奮剤を添加するとそのMetabolic changeのpatternは生体麻酔又は興奮時のそれと類似の変化を示し,しかもHomogenateではこれ等のPatternをES下でも再現し得ない事を認めた3)(Table.1)。ESには当教室で作製した刺激装置4)を用い,各刺激条件は各TableのNBに附記した如くである。
斯る刺激に応じて起る脳切片の生体興奮時の脳代激変化に対比される呼吸増加,無機燐酸(IP)の増加には明確な基質特異性がある(Table.2)。
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