ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Fetal Surveillance--その臨床的対応
Topics
胎児中枢神経機能—自律神経系
上妻 志郎
1
,
岡井 崇
1
,
水野 正彦
1
Shiro Kozuma
1
1東京大学医学部産科婦人科教室
pp.262-263
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207159
- 有料閲覧
- 文献概要
胎児中枢神経系の機能は,体性神経系に関するものと自律神経系に関するものとに大別される。体性神経中枢の機能的発達に関しては胎動がその重要な指標であることは既に報告した通り1,2)で,近年のME機器の発達により胎動に関する情報量は飛躍的に増加しつつあり,体性神経系の発達に関し今後さらに多くのことが明らかになっていくものと思われる。一方,自律神経系の中枢機能に関しては胎児の心拍数変動が注目される。胎児の生理的な心拍数変動には心拍数基線細変動と一過性頻脈とがあり,いずれも胎児の健康状態を知るための指標として臨床的に重要であるが,それらの妊娠週数の変化に伴う生理的推移を知ることは臨床的に意味があるだけでなく自律神経中枢の機能的発達を推測するためにも有用である。今回は,心拍数変動の妊娠週数による推移,自律神経中枢の機能的発達などに関し簡単に述べてみたい。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.