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特集 第4回神経化学懇話会
脳の特異物質
αMethyl DOPAに関する研究
Pharmacological Studies on the α Methyl DOPA
尾崎 正若
1
,
中島 敏夫
1
Masayoshi Ozaki
1
,
Toshio Nakashima
1
1名古屋市立大学医学部薬理学教室
1Dept. of Pharmacology, Nagoya City Univ. Medical School
pp.505-510
発行日 1962年9月25日
Published Date 1962/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903976
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芳香族amino酸の脱炭酸酵素を阻害する物質は多数あげられて居るが,中でもStein Pfister1)等が合成したαmethylDOPA(αMD)(第1図)に就てはSourkes2)がDOPAの脱炭酸酵素(DC)の強力な阻害物質である事を見出だした事にはじまり3)Westermann,はαMDが5-OH-tryptophan(5 HTP)のDCをも阻害すると報じた4)。DenglerはαMDが前以て投与された動物の血圧はDOPAを注射してももはやDOPAmineの生成が阻止されている為血圧上昇がblockされる事を認めて居る。その後Smith5)はマウスにαMDを皮下注射により脳の5HTPDC阻害の為脳のserotonin(SE)の減少が来るとしたが,norepinephrine(NE)を生物学的に定量しその減少は来ないと報じた。
αMDのマウスLD50は1700mg/kg I. V. で毒性は弱く,犬に長期間投与した場合にも著変を来たさない事から6)臨床的に之を試用し,人体内のDC阻害の為にprecursorの各amino酸からDCによつて生成されるamine類が,SE(63%)tyramine(80%)tryptamine(50%)夫々尿中排泄が減少する事が確かめられた。
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