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特集 脳血管性障害・I
老年者の脳内小出血及び小軟化の臨床病理学的及び病理組織学的研究
A clinico-Anatomical and Histopathological Study on Small Intracerebral Hemorrhage and Infarction in the Aged
塚越 広
1
Hiroshi Tsukagoshi
1
1東京大学医学冲中内科
1Department of Okinaka's Internal Medicine, School of Medicine, Tokyo University
pp.325-332
発行日 1961年5月25日
Published Date 1961/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903917
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I.緒言
小出血,小軟化は老年者の脳に最も屡々認められる脳血管障害性病変で,脳の大出血或いは大軟化よりも,高頻度に認められる。
かかる小病巣の臨床病理学的所見については,既にPierre Marie1)の明解な記載があり,これが教科書その他に屡々引用されている。Alvarez2)は,中年以後の脳血管性発作には,脳卒中と共にlittle strokeが少くないことを強調し,その原因として脳内小動脈の血栓を考えている。最近著者等3)は,老年者の,意識障碍を示さない脳血管性発作(軽発作)を検討して,その多くは小出血或いは小軟化によつて起ることを述べた。今回は,小出血,小軟化のみをとり上げて,臨床病理学的に検討し,これら小病巣の特異性を追求した。
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