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特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
培養脊柱靱帯細胞に対するBMP-2と他の細胞成長因子の相互作用
Combinatory Effects of Bone Morphogenetic Protein-2 and Other Cell Growth Factors on Cultured Spinal Ligament Cells
後藤 憲一郎
1
,
山崎 正志
1
,
金 民世
1
,
寺門 淳
1
,
茂手木 博之
1
,
守屋 秀繁
1
Ken-ichiro Goto
1
1千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
cultured spinal ligament cells
,
培養脊柱靱帯細胞
,
bone morphogenetic protein-2
,
BMP-2
,
骨形成因子
,
insulin-like growth factor-I
,
IGF-I
,
インスリン様成長因子
,
basic fibroblast growth factor
,
bFGF
,
塩基性線維芽細胞成長因子
Keyword:
cultured spinal ligament cells
,
培養脊柱靱帯細胞
,
bone morphogenetic protein-2
,
BMP-2
,
骨形成因子
,
insulin-like growth factor-I
,
IGF-I
,
インスリン様成長因子
,
basic fibroblast growth factor
,
bFGF
,
塩基性線維芽細胞成長因子
pp.549-556
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902427
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抄録:培養脊柱靱帯細胞に対するBMP-2および他の細胞成長因子の相互作用を,骨形成系細胞への分化度と細胞外基質合成能について検討した.BMP-2は,単独で骨化症由来細胞(OL細胞)の骨形成系細胞への分化を誘導するが,この作用をIGF-1は相乗的に促進し,bFGFは抑制した.このことより,脊柱靱帯細胞が骨形成系細胞へ分化する際には,BMP-2のみが単独で作用するのではなく,IGF-1は促進的に,bFGFは抑制的にBMP-2の作用を制御している可能性が考えられた.また,BMP-2は,単独でOL細胞の基質合成量を増大させる場合があり,この作用もbFGFにより抑制された.したがって,BMP-2が細胞外基質合成にも関与し,この作用もbFGFにより調節を受けている可能性が示唆された.このように脊柱靱帯の骨化が発生・進展していく過程では,多くの細胞成長因子が相互に作用していると考えられた.
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