Japanese
English
特集 成長因子
総説
トランスフェリン—筋成長促進効果を中心に
Transferrin in special reference to its myotrophic activity
小沢 鍈二郎
1
,
伊井 一夫
1
Eijiro Ozawa
1
,
Ichio Ii
1
1国立武蔵療養所神経センター機能研究部
pp.361-367
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903559
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鉄結合非ヘム蛋白質であるトランスフェリン(transferrin,Tf)は,脊椎動物の血漿,哺乳動物の乳などの分泌物,または卵白中に高濃度に存在し,それぞれセロトランスフェリン(serotransferrin,sTf),ラクトトランスフェリン(lactotransferrin),オボトランスフェリン(ovotransferrin,oTf)と呼ばれる1)。いずれも,分子量約8万の糖蛋白質であり,1分子当り2原子の鉄を可逆的に結合する。sTfは主に肝臓で合成され,鉄を吸収場所(小腸)から貯蔵場所(肝臓,脾臓,骨髄),そして利用場所(各種細胞)へと血流に乗って運搬する。
Tfの可逆的な鉄の結合の仕方,アミノ酸配列2,3),糖鎖の構造,立体構造などについての研究も近年進んでいるが,それらについてはBezkorovainyのモノグラフ4)を参照されたい。
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