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Riley,Dayら(1949)17)は,彼らがそれまでの10年間に診察した5人の小児患者が複雑な自律神経系の機能異常を呈し,臨床的疾患単位としては確定診断できないが,互に共通の諸特徴を持つことから,この5症例を一括して"Central autonomic dysfunction with defective lacrimation"として発表した。この症候群を共同発表者の名前を冠してRiley-Day症候群ないし家族性自律神経失調症(Familial Dysautonomia,略してFD)と称する。5例は共通して,1)軽度の不安に対して過剰に反応して,発汗過多,唾液分泌過多,一過性の皮膚発赤,一過性の著明な高血圧および,2)涙液分泌過少の臨床症状を示した。Rileyらは文献的に考察して,先天的な涙液欠如のある小児の症例報告があるが,それらは自律神経機能異常を伴っていない,またautonomic diencephalic epilepsy(Penfield)では自律神経機能異常があるが,それはepisodicであり,小児には起らず,明らかな器質的病変を伴い,流涙欠如が特徴ではないことより,また本態性高血圧症を伴う若年女性がepisodicに類似の自律神経異常をきたす症例(Page)があるが,その場合には涙液分泌過多がある点で,彼らの症例はそれまでに報告されていない新しい臨床的疾患単位であるとした。
In 1949 Riley and his colleagues first reported five cases of dysautonomia, under the title "Central autonomic dysfunction with defective lacrimation", which had hitherto been unrecognized as a clinical entity and manifested the complex autonomic dysfunction as the main clinical signs. This disorder has been called the Riley-Day syndrome or familial dysautonomia.
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