Japanese
English
特集 三叉神経系
咀嚼筋の筋電図
Electromyogram of the masticatory muscles
三谷 春保
1
Haruyasu MITANI
1
1大阪歯科大学第三補綴学教室
1Dept. of Prosthodontics, Osaka Dental University
pp.1086-1095
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903686
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まえがき
歯科学の領域では,咀嚼系Masticatory system(または顎口腔系Stomatognathic system)という概念が重視される。歯,歯周組織,歯の支持組織,顎骨,側頭下顎関節(顎関節),下顎骨に付着している筋群,口唇や頬や舌の筋,唾液腺,およびこれらの各組織に分布する血管系と神経系などを総合して機能的単位とみなす考え方である。そして,いわゆる咀嚼筋とは,咀嚼運動のprime moverという意味で狭義には頭蓋骨より起こって下顎骨に付着する咬筋,側頭筋,内側翼突筋,および外側翼突筋の4筋を指すが,上述の咀嚼系の概念からは下顎骨に付着している他の筋,すなわち舌骨上筋群を含めて,つぎのように下顎の運動に直接的に関与する筋群を総称1)するのが妥当と考えられる。
これらのうち,下顎骨の挙上に関与する筋群は,四肢筋における伸筋(抗重力筋)に相当し,これに対して開口運動(下顎骨の下制)に関与する筋は屈筋とみなすことができる。
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