Japanese
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特集 メチル水銀中毒症研究の最近の進歩
水俣病の診断に対する最近の問題点
Recent problems for the diagnosis of Minamata disease
椿 忠雄
1
Tadao TSUBAKI
1
1新潟大学脳研究所神経内科
1Department of Neurology, Niigata University
pp.882-889
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903668
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この小著は,水俣病(著者の場合は,いわゆる新潟水俣病)の患者の診断に当たってきた1人の医師の苦しい体験の記録である。神経学の最新最高のレベルの研究を目標とする本誌に,このような小論を書くことが適当か否か迷わないでもなかった。しかし,考えてみれば,医学界一般ではメチル水銀中毒の臨床症状はすでに確定されたと考えているのではなかろうか。そして,その診断も一定の基準に従って容易にできると考えているのではなかろうか。著者は,このような考えに至った時,公害病としての水俣病の診断について現時点での考え方を記録に残すべきだと考えたのである。
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