講座
多変量解析法(その1)—外的基準のない場合
市川 雅教
1
,
柳井 晴夫
2
Masanori ICHIKAWA
1
,
Haruo YANAI
2
1東京大学医学部保建学科疫学教室
2千葉大学文学部行動科学科
pp.603-610
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206757
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■はじめに
医学の進歩とともに感染症は激減し,それにかわってガンや心疾患などの,いわゆる成人病が死因の上位を占めるようになり,公衆衛生活動の重点も,こうした疾患に対応したものへと移ってきている.それらの疾患の発症の要因は単一なものではなく,気候・地域・食習慣・環境中汚染物質への暴露など,多くの要因が複雑に関与している.
多変量解析法は,このような複雑な事象を解明するための一連の統計的手法の総称で,事象の多元的測定の結果得られるデータを分析して,(1)事象の構造の単純化(2)測定対象の分類(3)複数の項目の相互従属関係(4)ある事象に対する他の要因の影響の強さ等を分析する手法である.
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