Japanese
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特集 神経系における液性情報伝達機構
視床下部神経分泌細胞(SO・PVニューロン)の回路的性質
Functional features of neurosecretory circuitry in the supraoptic and paraventricular nuclei
山下 博
1
Hiroshi YAMASHITA
1
1神戸大学教育学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Education, Kobe University
pp.295-307
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903618
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I.はじめに
哺乳動物の視床下部,下垂体神経分泌路では視床下部にある神経分泌細胞はその軸索をのばして,下垂体後葉でその軸索終末部から細胞体で合成し,軸索中を輸送してきたホルモン物質を血管腔内に分泌し,血液系を介して遠隔の目標臓器を制御している。この神経分泌細胞には2種類があり,おのおのoxytocinとADHを分泌しており,血中の滲透圧,子宮の収縮を調節している。神経分泌細胞軸索終末からのホルモン物質の放出は神経分泌細胞の活動電位と相関していることが知られており(Brooksら,1966;Dyballら,1969;Dyball,1971),この活動電位による軸索末端の脱分極によってホルモン物質が放出される(Douglas,1964;Ishida,1970;Dreifuss,1971)。神経分泌細胞内での活動電位の発生は,まったく一般の神経細胞と同じで,シナプス入力を受け活動電位を発生すると考えられている(Koizumiら,1971,1972;Schadéら,1972;Nicoll,1972;Hayward,1972;山下,1973参照)。
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