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1)死亡時34歳の家婦が,22歳の時にS.L.E.の定型的な症状で発症し,以後12年間に5回の再燃があり,いずれもステロイドの増量により比較的急速に軽快した。死亡7年前および3年前の再燃時には,それぞれmen ngoencephalopathyおよびmyeloneuropathyの症状を呈したが,軽快した。その後外来通院中に,頭皮の擦過傷からの感染が,その部の蜂窩織炎をおこし,患者はA群以外の溶血性連鎖状球菌による敗血症で死亡した。経過中,腎機能はほぼ正常に保たれ,L.E.細胞は常に陽性で,抗核抗体は一時1,024倍に達した。
2)一般臓器の変化は軽く,大脳皮質の散在性の微小軟化巣,脊髄全長の白質辺縁部全周性壊死および大脳前頭葉吻側白質に限局したP.M.L.病変が認められた。電顕的にP.M.L病変内のoligodendroglia とastrocyteの核および胞体内に直径平均40mμのPAPOVAグループのウイルス粒子とfilament構造を認めた。
3)脊髄全長にわたる白質辺縁部の全周性の壊死の成立機序は,血管障害性の証拠はなく,髄液因子が考えられるが,なお原因不明である。S.L.E. における脊髄の変化としては,まれであるが,S.L.E.の合併症としては特徴的な病変であり、今後も報告症例のあることと考える。
34 years old woman with typical symptoms and signs of systemic lupus erythematosus presented the transient signs of meningoencephalopathy and myeloneuropathy, 7 and 3 years prior to death respectively, which were almost completely controlled by steroid therapy. During the last remission, she died of septicemia of β-hemolytic streptococcus (not group-A), originating from the phlegmone of the scalp.
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