Japanese
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特集 第9回脳のシンポジウム
主題:脳血管性障害
指定討論:局所脳循環の自動調節機構
Autoregulation of regional cerebral blood flow
立花 俊郎
1
Shunro TACHIBANA
1
1若杉病院
1Department of Neurological Science, Wakasugi Hospital
pp.1141
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903590
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- Abstract 文献概要
私どももまた,藤島先生のご発表の中にありましたように,代謝性物質が脳循環調節機構の中で重要な働きをするというご意見に同意するものですが,調節物質が何かというところにフォーカスされた研究に対し,私どもは血管動態がどのようなメカニズムによって引き起されるかというようなダイナミックな調節機構の解析を試みて来ましたので追加させていただきます。
申すまでもなく循環調節機構はいろいろの因子が複雑に関与して起るもので,実験条件により必ずしも一元的要素にしぼってしまうことが困難な場合もあり,総血流量の調節また,局所血流の調節とそれぞれ異なった見地からの解析を必要としますが,正常活動脳ではそのほとんどが総血流量には影響を示さないような局所的な循環調節機構に依存しているものと考えられます。たとえば慢性猫を用いた私どもの実験で,RF刺激による覚醒反応に伴う後部視床下部での電気的神経活動と同一部位での代謝性熱発生および局所血流変化(インピーダンス血流計使用)の同時記録で,非常にはっきりした一連の関係を見ることができます。
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