Japanese
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特集 小脳
小脳から大脳へのニューロン回路
The cerebello-cerebral projection
佐々木 和夫
1
Kazuo SASAKI
1
1京都大学医学部脳神経研究施設
1Department of Physiology, Institute for Brain Research, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.838-849
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903545
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大脳皮質と小脳との両方向性結合は,動物が高等になるにつれて発達し,人間ではそのため大脳と関連が深い小脳半球(Hemisphere)がとくに大きく形成されている。このようなことから,大脳皮質と小脳のニューロン結合が,姿勢・運動制御の上でもとくに高次の機構に深く関与していることは容易に想像される。事実,大脳小脳間の結合回路が破壊されると,運動失調,志向振顫などの様々な障害が,人間あるいは類人猿で起ってくることは知られている。しかし,この結合回路がどのような機序で姿勢や運動を制御しているかについては,ほとんど解明されていないのが実状であろう。この大脳小脳結合回路の働作機序を知ることは,すなわち,高等動物における小脳の重要な機能を知ることに通ずるので,今後多くの研究がなされるべきである。木稿では,小脳から出て大脳皮質に至るニューロン回路について,とくに最近の電気生理学的研究の大略を述べることにする。
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