Japanese
English
特集 神経系の加齢
身体疾患と中枢神経系の老化
Somatic disease and aging of the central nervous system
亀山 正邦
1,2
Masakuni KAMEYAMA
1,2
1東京都養育院付属病院
2東京大学
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital (YOIKUIN)
pp.636-645
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903528
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はじめに
年をとるという現象—agingは,通常,個体発生において発生・成熟過程に引続いて起こる衰退の過程を指しており,その先は,直接,死につながる生物学的現象である。ことに人間を対象とした場合には,agingは"老化"と訳されることもある。agingを加齢と訳すことも多いが,この場合には,対象を老化よりもさらに広くとっていることが普通である1)。
中枢神経系を構成する神経細胞は,Cowdry2)の分類によれば,fixed postmitotics(固定性分裂終了細胞群)に属するもので,いったん完成すると,その個体とともに生き続け,再生することはない。したがって,寿命の長い細胞であり,その一生の間には,数多くの障害を受ける。
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