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特集 神経病理—第12回日本神経病理学会学術研究会より
一般演題
実験的麻疹ウイルス脳炎の研究(1)
Studies on experimental measles encephalitis (1)
大谷 杉士
1
,
山本 達也
2
Sugito OTANI
1
,
Tatsuya YAMAMOTO
2
1東京大学医科学研究所
2東京大学医学部脳研究所病理部
1Clinical Department, Institute of Medical Science, University of Tokyo
2Department of Neuropathology, Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.460-464
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903400
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Ⅰ.緒言
実験動物で麻疹ウイルス脳炎をおこしえたら,得るところが少なくないはずである。それはまず麻疹後脳炎,ひいてはいわゆる二次性脳炎の発生病理解明の手懸りを提供することになる。
亜急性硬化性悩炎(Subacute Sclerosing Panencephalitis,SSPE)から麻疹ウイルス(麻疹ウイルス様因子と呼んでいる研究者もある)を分離した報告は,わが国の報告も含めて7例に達している1〜5)。ごくありふれた麻疹ウイルスが,どのようにしてこの悲惨で奇妙な病気をつくりだしていくのかは,実験動物で麻疹ウイルス脳炎を再現することにより明らかにされるかも知れない。あるいはSSPE因子は麻疹ウイルスとは似て非なるものであるという結論に達するかも知れない。いずれにしても,実験的麻疹ウイルス脳炎はSSPE解明をこ必要なことである。
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