今月の主題 アルブミン
総説
ヒトアルブミン疾患モデルとしての無アルブミンラットの系統育成
朱宮 正剛
1
,
長瀬 すみ
2
Seigo SHUMIYA
1
,
Sumi NAGASE
2
1元東京都老人総合研究所
2元佐々木研究所
キーワード:
無アルブミン血症
,
ラット
,
疾患モデル
,
アルブミン遺伝子
,
高脂血症
Keyword:
無アルブミン血症
,
ラット
,
疾患モデル
,
アルブミン遺伝子
,
高脂血症
pp.529-536
発行日 2004年5月15日
Published Date 2004/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100492
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〔SUMMARY〕 1954年にBennholdが2例の無アルブミン血症患者の報告をして以来30余の症例が報告されている.臨床症状は軽度の浮腫,易疲労性など比較的軽微である.血清アルブミン値の著しい低下にもかかわらず,総タンパク質量は正常で著明な高脂血症を呈する.原因は第4番染色体のアルブミン遺伝子に置換,挿入等による点突然変異,非相同交叉や重複による染色体突然変異が起こりアルブミン生合成が障害されるためである.われわれは1979年にSDラットから無アルブミンラット(NAR)を分離した.NARはラット第14番染色体のアルブミン遺伝子のHIイントロンにおける7塩基対の欠損によりスプライシング障害を起こす.本稿では遺伝的背景の異なる各種無アルブミンラット系統の育成と特性について紹介し,自然発症疾患モデル動物の有用性について述べた.〔臨床検査 48:529-536,2004〕
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