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特集 第7回脳のシンポジウム
主題—グリア細胞
分離グリア細胞における蛋白合成
Protein biosynthesis in isolatcd neuroglial cells
高橋 康夫
1
Yasuo TAKAHASHI
1
1新潟大学脳研究所神経薬理
1Department of Neuropharmacology, Brain Research Institute, Niigata University
pp.76-78
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903350
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ただいま,永田先生からグリア細胞の生化学について,くわしい報告がありましたが,私がこれからお話いたしますのは,米沢先生の「髄鞘形成と脱髄」の班に入れていただいてやりましたものであります。すなわち,髄鞘形成とグリア細胞との関連を細胞レベル,分子レベルで証明しようとした実験の予備的段階のものであります。もちろん,グリア細胞の機能は複雑でありますが,少なくともoligodendrogliaが髄鞘形成に関連しているらしいことは形態学的研究から明らかなように思われます。髄鞘は蛋白と脂質から成り立つていますので,当然グリア細胞による蛋白合成,脂質合成の研究—とくに髄鞘に特異な蛋白,特異な脂質の合成を証明しなければならないわけであります。グリア細胞の種々の生化学的研究もやらなければならないわけですが,ここではこの髄鞘形成に関連した蛋白合成について私どもがやりました研究を中心として報告したいと思います。
グリア細胞の分離法—屠殺場から氷づけにしたジャーに入れて持参した牛脳白質から図1のごとくに行ないました。1.36M蔗糖の上にグリア細胞が得られます。この方法は白質からoligodendrogliaを分離しているFewsterら1)の方法を,神経細胞を分離している佐武らの方法2)その他を参考にして改変したものであります。目的によつてはmedium中に0.5%アルブミンを添加しております。所要時間は約3〜3.5時間ぐらいであります。
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