Japanese
English
特集 第7回脳のシンポジウム
主題—グリア細胞
グリア細胞の酵素組織化学
Histochemical studies on the various neuroglial cells
飯島 浩一
1
Koichi IIJIMA
1
1秋田大学医学部第二解剖学教室
1Anatomy Department, School of Medicine, Akita University
pp.56-58
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903347
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
清水と石井('64)の家兎最後野の電子顕微鏡的研究によれば,この領域に唯一種類のグリア要素が存在し,specific astrocyteまたはetastrocyte-like cellと呼ぶべきであるという。しかし彼らは該細胞のGolgi装置の形態に言及しなかつた。飯島('69a)はNovikoffとGoldfischer('61)のthiamine pyrophosphatase(TPPase)証明法を用いて検討し,GA形態から2種類を分け,延髄他領域の星状膠細胞のGAと本質的差異がないと述べた。このことは家兎視索上核の所見(Fig. 3,飯島,'70)を最後野の所見(Figs 1,2)と比較してもわかる。これらの所見はastrocyte-like cellが成熟型で,星状膠細胞に類似するとの上記の清水と石井('64)の見解を支持する。他方,glialoid cellは猫の最後野でastroblast-like cellといわれた(King,'37)。最近,飯島ら('67a)はglialoid cellは嫌気的解糖,グリア細胞は好気的解糖を行なうことをリスザル最後野の研究で指摘した。ゆえに家兎最後野の該細胞の性格決定に代謝系の追究がさらに必要である。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.