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Ⅰ.序
人体における中枢神経系の放射線障害の中で,Spätschädigung,あるいはdelayed radionecrosisと呼ばれているものは放射線治療に際し耐容線量以上の放射線が中枢神経系に照射された場合に,数か月から数年にわたる潜伏期をもつて発症し,その照射野内の神経組織には,既存病変とは無関係に,部位選択性を示す特徴的な病理学的変化を呈する状態を指している。文献からはこのような症例の報告は,脳に関しては1930年Fisherら26)による報告以後今日まで約60例,脊髄に関しては1941年Ahlbom以来,約130例,ほどであり,このうち,剖検により確かめられているものは,脳では50例1,3,6,9,10,12,17,18,20,21,24,29,42,44,48,50,53,54,55,58,60,64,72,80,84,88,92),脊髄ではこの2症例を含めて約25例22,27,39,46,53,62,63,65,69,74,76,77,78,79,86)であると推定される。耐容線量に関しては5,8,9,28,49,63,65,83,89),従来の報告例には昭射条件に関する記載が不十分なものが多いこと,およびその照射条件のみならず照射される患者の状態も均一ではないために,その値は確定されていない。
1) Two autopsy cases of radiation myelopathy are reported in this paper.
Case 1 was a 51 year old man with carcinoma of the larynx, to which tumor dose of 7100 r/65 days by Teletherapy (Co60) was irradiated from the bilateral sides of the neck. The each field size was 8×10cm. Thus, from the 2nd to 7th cervical vertebrae were involved in the direct beam.
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