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特集 第6回脳のシンポジウム
主題—ウイルス感染と神経系(いわゆるslow virus infectionの考え方)
SMONの病理解剖学的所見—神経系を除く一般諸臓器の病変について
Patho-anatomical Findings of the SMON: On the Changes of General Organs other than Nervous System
小川 勝士
1
,
堤 啓
1
,
元井 信
1
,
日覚 俊輔
1
Katsuo Ogawa
1
,
Akira Tsutsumi
1
,
Makoto Motoi
1
,
Shunsuke Nikkaku
1
1岡山大学医学部病理学教室
1Department of Pathology, Okayama University Medical School
pp.536-543
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903272
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Ⅰ.緒言
いわゆるSMONの神経病理学的知見についてはすでに諸家の詳細な報告1,2,3)があり,それはまた本疾患の独立性を裏づける重要な基盤となるものであつた。ところが神経系以外の諸臓器全般の病理についてはまだ断片的な報告2,4,5)をみるに過ぎず,しかもそれらの中でSMONに共通する顕著な変化を指摘するには至つていない。
したがつてSMONの病因がなお不明である今日6),たとえpathognomonicな変化を把握し得ないとしても,個々の症例の諸臓器にみられる雑多な所見を分析整理し,その中から多少ともSMONに関連性のある変化を見出すことによつて本疾患の本態究明にアプローチしようとする努力は必要なことであろう。その意味でわれわれは昭和39年以来昭和42年2月までに当教室で経験したSMON剖検症例19例の一般諸臓器の変化について検討を加えた。
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