Japanese
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特集 第6回脳のシンポジウム
主題—ウイルス感染と神経系(いわゆるslow virus infectionの考え方)
麻疹感染による脱髄抗体
Demyelinating Antibodies in Measles
米沢 猛
1
Takeshi Yonezawa
1
1京都府立医科大学病理学教室
1Department of Pathology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.460-464
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903261
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神経疾患患者の血清中に存在する脱髄性因子の検索はBornstein5)によつて最初に報告された。その後Lumsden12),Hughes and Field9),米沢20)らによつて多発性硬化症,とくにその急性期,その他の脱髄性疾患,筋萎縮性側索硬化症などの患者血清中の脱髄能について報告されている。この脱髄因子は培養された神経組織の髄鞘に対し特異的な脱髄像を示す。この因子が免疫学的に抗体であることは補体依存性,組織吸着性および螢光抗体法によつて示される。これらは実験的アレルギー性脳脊髄炎動物の血清中の脱髄抗体による変化と同様である。
この報告は神経症状を伴わない麻疹患者,麻疹ウイルスによるとされている至亜急性硬化性汎脳炎(Subacute sclerosing panencephalitis),麻疹経過中発病した傍感染性脳炎患者の血清中の脱髄抗体の検索に関するもので,その検索成績について報告し,麻疹と脱髄性疾患との関係について考えて見たものである。
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