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Stern (JAMA 81: 1507,1923)が顎・脊椎の関節を除く全身関節の先天的運動障害(flexion deformity)と内容附けをし,その後,顎関節・脊椎関節も犯される例も報ぜられ,その他,いくつかの奇形が追加されている。Ek (Acta pediat. 47:302,1958)は同胞に2例を見て劣勢遺伝と考えた。Sheldon (Arch. Dis. Childhood 1:117,1932)は本症を筋群の原発性aplasiaとしたが,Gilmour(J. Path. Bact. 58:675, 1946)は前角細胞に数・大きさのいちじしい減少のあることに注目。Brandt (Acta pediat.34:365, 1947)はこれを確認したが,James ( Edinburg M. J. 58:565, 1951)は本症筋無形成はneurogenicでないと見ている。しかしEk(前記)は脳にfetal defectがあるとし, Kanof (Pediat. 17:532, 1956,は前角細胞の少なく小さいこと,corticopinal tract, aut. motor rootにいちじるしい脱髄のあることをみて前角細胞消久と錐体路変性との紺み合わせが本態であろうとしている。つまりKanofにいたつてはじめて,本症が関節・筋の原発疾患でなく,amyot. lat. sclerosisに似た中枢神経系の原発疾患であろうという考え方になつたのである。Drachman (Arch.Neurol. 5:77, 1961)はやはりこれを確かめ,前角細胞消失はその形成不全というより変性にもとづくと考えた。本症は中枢神経系の原発疾患という見方が強くなつてきた。この変化は子宮内でのcompression,immobilityなどによるのでなく,むしろgenetic defectと考えられる(兎唇・小顎症・停留睾丸・尿道下裂・精薄など合併多し)。しかし,母体からの感染,妊娠中の母体の薬物の影響なども考慮の必要がある。症例は34才男,症状典型的,家族的には従兄に1名精薄症あり,63才女,症状典型的,家族歴なし。
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