Japanese
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特集 モノアミン系
モノアミン系と脳の発達
Development of aminergic system and brain
前田 敏博
1
Toshihiro Maeda
1
1滋賀医科大学解剖学教室
pp.91-98
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904510
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脳内アミンニューロンの数は少ない。例えばヒトの脳では総数2〜30万個ぐらいと推定される。それらの神経突起が多数分枝して百億をこえる神経細胞と関係するのであるから,その影響は広範囲かつやや非特異的なものとならざるを得ない。神経伝達の様式で云えば,ある特定の興奮を伝えるのではなく,おもにそれを修飾,調節しているものと考えられる。私はこの様な系をmodulatory transmitting systemと呼んでいる。このような系は興奮の伝達に限らず,神経組織の代謝,形態の保持などまでもっと広く影響を与えているのではないかとさえ考えられる。
一方その個体発生,系統発生をみると,ともに早期に出現,発達する。大脳皮質の発達においては,全く未熟な外套中にアミン線維が進入しシナップスを形成していく。まだ機能していない未熟ニューロンあるいは芽細胞群に,このmodulatingsystemが関わりを持つ理由は何であろうか? これは非常に面白い問題として取り上げられ多くの実験的研究がなされたが,最初予想されたほど明確な結果は得られず,巨視的な意味での形態形成への影響については否定的なものが多く,こまかくはシナップス形成の速さとか機能的分化などについて肯定的な成績が報告されている。考えてみれば,これがアミンニューロンの本質であるとも云える。
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