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脳の生理に関するシンポジウム 脳の外科を中心に
劣位半球後部頭項葉への外科的侵襲—分裂病者に認められた身体図式の発作性攪亂とParietal Topectomyによる治療の試み
Parietal Topectomy applied to Paroxysmal Disturbances of Body Schema in Schizophrenia
小林 八郎
1
,
大島 好雄
1
H. Kobayasi
1
,
Y. Osima
1
1国立武蔵療養所
1National Musasi Sanatorium
pp.35-48
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901567
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I.
われわれは,精神分裂病者の左半身に限局した身体図式の発作性攪乱に対して,non-dominantである右半球の,後部頭頂葉のinterparietal areaの皮質切除手術をほどこして効果を納めることができた。
この手術形式が脳病理学の成果に負うものであることはいうまでもないが、症候学としてではなく,われわれはそれを根拠として治療的行動に出たのである。この点,精神外科の経験に導かれたわけである。また,手術対象とした症状が,精神病理学の埒内のものか,脳病理学の領域のものと考えるべきかについて困難な問題がある。これを,まず主題の一つとして取り上げねばなるまい。
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