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痛みに対する脊髄後根進入部手術(DREZotomy)はすでに20数年の歴史があり,その方法や適応は確立されたかの感がある。しかし実際には個々の症例の痛みの状態に応じて行うべきtailoredsurgeryであることはあまり理解されていない。また,単一の原因でも痛みは多様であり,このような多様な痛みすべてに適応となる手術でもない。現在もっともよい適応と考えられるものは脊髄根引抜き損傷後の痛みであり,帯状庖疹後神経痛に関しては発作性でアロデニアのある場合には適応となるが持続的自発痛には無効である。腰仙髄レベルでは後角全体の破壊を行わねばならない場合もある。一般的には神経因性疼痛の治療として用いることが多いが,会陰部の癌性疼痛のような両側性侵害性疼痛に対しても適応となり,前者では脊髄後角まで含めた手術が必要であるが,後者では脊髄後根進入部表層での疼痛線維のみの遮断で目的は達せられる。このような様々な細かな注意点を含めて,本稿では,筆者らの経験と過去の文献に基づいたDREZotomyの適応,手術方法,留意点などを詳述する。
Surgical lesioning to the dorsal root entry zone of the spinal cord (DREZotomy) has been used for the treatment of intractable pain for more than 20 years. Although the indications, surgical procedure, and its results have been well documented in the literature, there are still few neurosurgeons who perform this kind of surgery. Based on our experience of microsurgical DREZotomy for pain and spasticity, we describe the detailed indication and the important points of the surgical procedures.
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