Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
脳血管内治療が始められてからすでに25年以上経過した。その間,X線透視装置は非常に進歩し,鮮明な血管像また三次元画像までも得られるようになった。しかし,カテーテルなどの治療用具に関しては,進歩はしているものの決定的な治療法は未だ開発されていない。現在でも,医療現場での医師の着想が大きく治療法を変える可能性のある分野である。その着想を現実のものとするためには,医師と工学系等の異分野の研究者との共同研究が欠かせない。われわれのグループは過去20年以上にわたって脳血管内治療に興味を持つ多くの医師との共同研究を続けてきた。ここに紹介するわれわれの経験から,共同研究に必要な情報交換の方法,試作品から臨床使用へ持っていく方法,医師と工学研究者の役割などについてヒントを得て,現在の治療法を大きく転換する新しい治療法の開発に役立てていただければと思う。
本稿では,20年近くにわたって脳神経外科医の要望に答えて開発してきたマイクロバルーンカテーテル,液体塞栓材料,金属コイルなどについて述べる。
Endovascular surgery has become available as one of the strategies for the treatment of various neuro-vascular diseases such as cerebral or spinal arteriovenous malformations (AVMs), dural arteriovenous fistulas (dAVFs) and cerebral aneurysms. In this method, a microcatheter is advanced into or close to a lesion and then an embolic ma-terial is administrated through it to obliterate the lesion. It is not so invasive and thus is accepted as an attractive therapy making up conventional surgical techniques.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.