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はじめに
冠動脈ステントは,バルーンカテーテルを用いた経皮的冠動脈拡張術(PTCA)施行後の急性期の冠閉塞(約5%),および約3カ月から6カ月後の慢性期に起こる再狭窄(約30~40%)の発生を防止する目的のために開発された血管内治療デバイスの一つであり,1980年代後半に臨床応用が開始され1),現在では冠動脈疾患の治療法の主流として確立されつつある2-4)。
一方,頭頚部の血管領域での狭窄血管の治療は,従来血栓内膜剥離術やバイパス手術など外科的な血行再建術が盛んに行われてきた。しかし,患者のQOL(Quality of Life)の向上などの社会的な要請も高まり,これまで脳塞栓症などの危惧のために避けられてきたステントを用いた血管形成術を含む血管内治療の適用が広まりつつある。狭窄冠動脈におけるステントを用いた血管形成術では,バルーン単独での一時的な血管拡張に比べて長期間にわたって冠動脈内腔径がより大きく保たれることにより,再狭窄率は低下することが明らかとなった。しかし,ステントを用いた場合においても慢性期の再狭窄は完全に防止することはできず,依然として20~30%の高率で起こると報告されている2-4)。また,頭頚部でのステント治療は,目下検討が進行中であり,結論はでていないが,同様な傾向を示すと予想される。
Coronary angioplasic procedures using metallic stents have been recognized to contribute to reduced acute occlusion rate and long-term restenosis rate as compared with conventional balloon angioplasty. However, despite advances in the clinical use of coronary stents, there still are limitations to general applicability of the technique. Although multiple complex biological pathways are cooperatively triggered to results in excessive neoarterial tissue growth (intimal hyperplasia), the subsequent cellular events must be carefully considered for pharmacological postangioplasty restenosis.
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