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薬物によりシナプス抑制を低下させると,容易にてんかん様発作を誘発し得ることから,てんかん患者の脳内でもシナプス抑制が低下しているものと考えられてきた。しかし,多くの実験的および臨床的研究は,発作間歇期において焦点部を含む広い領域でGABAシナプス抑制が著しく増強していることを示している。このシナプス抑制の増強にも関わらず発作が発生する主な神経機構として,抑制減退現象(inhibition failure)とGABAトランスポータの減少によるGABA逆転放出(GABA transporter reversal)の低下を取り上げ,それらによる発作発生の過程を電気生理学的に検討した。また,発作放電の持続を担うイオン・チャネルとしてタイプIIA Na+チャネルの意義を明らかにし,いくつかの抗けいれん薬がこのチャネルを作用点としていることを示した。さらに,発作停止と発作後抑制におけるアデノシンによる抑制機構の重要性を指摘するとともに,脳内プロスタグランジンが,このアデノシン抑制系とは逆に,発作後抑制を弱めて発作の再発を促進している可能性を紹介した。
Experimental and clinical studies have shown that the synaptic inhibition increases and the cellular excitability decreases in a large brain area including epileptogenic focus during an interictal period. It was shown that high-frequency activation of excitatory synapses produced a large inhibitory postsynaptic potential (IPSP) mediated by recurrent GABAergic circuits following action potential discharges and then diminished gradually and markedly IPSP, leading to seizure activities.
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