Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
近年の目ざましい分子生物学の進歩によって,それを臨床の現場にまで適用するまでになってきたことから,遺伝子治療はここ10年間で新しい治療法として期待されている。悪性脳腫瘍に対して遺伝子治療が最初に試みられたのは,1992年にNIH(米国立衛生研究所)で単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-TK)/ガンシクロビル(GCV)を用いる自殺遺伝子治療である。以後,現在までに16のプロトコールがグリオーマに対して実際に臨床応用されている。また,われわれの教室も含めて,これから臨床応用させるべく基礎研究中のストラテジーも数多くある。これらの多くは自殺遺伝子治療,サイトカインやアンチセンスを用いた免疫遺伝子治療,癌抑制遺伝子治療に分けられる。また,最近では腫瘍血管新生を抑制する遺伝子治療の開発も行われている。本稿ではそれぞれを概説し,これからの課題と展望を考察したい。
Despite recent advances in neurosurgery, radiation, and chemotherapy, the prognosis of patients with malignant gliomas remains dismal, with an average survival of less than two years. In order to overcome this formidable neoplasm, the effectiveness of molecular neurosurgery using gene therapy has been clinically investigated since 1992. Sixteen clinical trials has been already started and other large number of basic researches has been currently developed in the world.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.