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特集 Triplet repeat diseases
Triplet repeat病について
On“triplet repeat”diseases
金澤 一郎
1
Ichiro KANAZAWA
1
1東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻神経内科学
1Department of Neurology, Division of Neuroscience, Graduate School of Medicine
pp.355-356
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900952
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1865年に,Moraviaの修道院の庭でGregor Mendelがエンドウ豆の遺伝に関する法則を見出して報告したのは,わが国で言えばちょうど徳川時代が終わって新しい明治時代が始まろうとする時であった。それから132年経つ。埋もれたままであったMendelの業績の再評価までの35年間は除かねばならないであろうから,遺伝学の歴史は実質的にはほぼ100年ということになる。そしてその100年後の今,ほとんどの遺伝子解析技術が完成し,金と人力と時間さえかければ人間のゲノムのすべての塩基配列を解読できることがわかり,全世界的なプロジェクトとしてスタートしていることも周知の通りである。
それなら,遺伝子の異常による遺伝病の本態がすべて明らかになるのも時間の問題ではないかと思える。事実,Huntington病(HD)に対して遺伝子連鎖解析法が応用されて1983年に遺伝子座が決定されるや,すさまじい勢いで各種遺伝病の遺伝子座が決定され,さらに疾患の責任遺伝子の同定ラッシュの時代に入った。
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