Japanese
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特集 神経疾患と脂質代謝
ヒト脳腫瘍の脂質代謝—糖脂質を中心として
Glycolipid metabolism in the human brain tumors
金澤 一郎
1
,
山川 民夫
2
Ichiro KANAZAWA
1
,
Tamio YAMAKAWA
2
1東京大学医学部脳研究施設神経内科
2東京大学医学部生化学教室
1Department of Neurology, Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Biochemistry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.554-563
発行日 1973年6月3日
Published Date 1973/6/3
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903520
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I.はじめに
脳腫瘍の脂質全般については,最近概説したこともあり19),今回はヒト脳腫瘍糖脂質に関する私どもの研究の一部を報告するとともに,糖脂質の面からみた脳腫瘍に対する考え方の一端を述べてみることにする。
糖脂質は動物体においては,そのほとんどがsphingoglycolipidであり,基本的には,sphingosineに脂肪酸が酸アミド結合しているceramideを共通の基本構造としてもっている。これに様々の糖がグリコシド結合したものが,糖脂質である。これらは糖分子の種類,数,その配列順序などにより多くの糖脂質に分けられている。しかし基本的には図1に示すごとく,ceramideにglucoseがまず結合する型(glucosylceramide系列)とgalactoseがまず結合する型(galactosylceramide系列)の二つに大別できる。
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