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特集 第31回脳のシンポジウム
脳研究の方法論―現状と未来
運動と行動の神経機構(抄録)
Neural control of motor behavior
丹治 順
1
Jun TANJI
1
1東北大学医学部生理学第二講座
1Department of Physiology, School of Medicine, Tohoku University
pp.997-999
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900809
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はじめに
運動を正確に行うためには多数の四肢筋活動を制御し,同時に全身のバランスを保持する必要がある。運動の実行過程におけるこの精密なコントロールを可能とする脳のしくみについて,多くの研究が行われてきた6)。他方運動は目的性をもち,しかも外界に対する働きかけとして行われるものであるから,①目的に適った運動を如何に発現させるか,②外界情報をどのようにして運動系に取り入れ,運動の発現・遂行の過程を進めて行くかの2点は,必ず解決しなければならない問題である15)。それを脳は如何にして行っているであろうか。この疑問はむろん容易に解決し得ない膨大な内容を有してはいるが,最近の研究はまさにその疑問の解決をめざしているといえよう15,18)。
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